移動運用
移動運用は以前から好きなジャンルでした。中学・高校のころは、自転車にバイク用の小型バッテリーを積んでやっていたこともあります。ハンドル部分に日本電業のLS60(50MHz)とIC02N(144MHz)を引っかけて、後部荷台にバッテリー、後輪のフレームに基台を付けてアンテナはオスカー4WDとかいうハデな名前が付いた十字型のマルチバンドホイップでした。いま考えると赤面ものですが、当時は得意になってやってましたね。ちょうどサイクル22のピークとも重なって、コレで50MHzでVKと交信したこともありました。
社会人になってからは、職業柄、いろいろな場所を転々とする生活になってしまったため、自宅からゆっくり無線を楽しむことができなくなってしまったことや、もともと常置場所の設備(アンテナ)自体がプアーでフラストレーションがたまる一方といった理由から、特に移動運用をアクティブにやるようになりました。
メインバンドは特にないのですが、シーズン中は50MHz、オフシーズンはHFを主にやっています。最近は「お手軽移動」と銘打ってHFのI.V.一本でやる移動が面白くてちょっとしたマイブームみたいになってます。朝早く起きて移動して8時か9時頃には運用開始、14時頃にはQRTというパターンでやっています。以前の移動では、重装備すぎて設営・撤収だけで疲れきってしまい、肝心のデンパをだす馬力がなかったなんていうことがたびたびありましたが、「お手軽移動」では設営撤収は長くて30分。アンテナは事前に一度きちんと調整しているので、無調整でOK。リグは車の中にセットアップします。
こうしてアッという間に即席シャック完成です(って、即席とはいえ私の場合、常置場所のシャックより強力だったりします(^^;)こんな「お手軽移動」を始めてからというもの、とにかく設営やアンテナの調整で大幅に時間を食われる心配がなくなったので、下見もせずにぶっつけ本番で移動することに不安がなくなりました。ロケハンに30分+設営に30分かかったとしてもわずか1時間のロスですみます。
移動の設備で特に工夫していることはありませんが、なるべく洗練するように努力はしています。基本的には必要以上のものは持っていかないようにします。例えば以前は、アンテナアナライザーとSWR計を持っていくなんてことをやってましたが、これなんかは、よくよく考えればどちらか1つで用が足りますよね。最近市販のアンテナチューナーなどは、SWR計とパワー計が一体になっているものがほとんどですので、これが1台あるとかなりコンパクト化・省スペース化に貢献します。
発電機は500W(4サイクル)程度のを使っています。経験的にこれより上のクラスになると、極端に燃料の消費が早くなるようです。2サイクルならさらに小型のもありますが、オイルを持参しなければなりませんのでちょっと面倒です。事前に混合油を作って持っていくなら手間がかかりませんが、今度はそれが余った場合どう処分するかという問題がでてきます。
燃料はホームセンターで売っている混合油を入れる小型のタンクに入れています。満タンでも5リットルしか入りませんが、私の発電機ではこれでも最低6時間は持ちますし、小さいので邪魔になりません。また、簡易ノズルを内蔵していますのでハンドポンプを持参する必要がないというのもメリットになっています。
アンテナは普通のIV線で作ったインバーテッドVですが、どうせ移動するならコイルレスのフルサイズが使いたい、モノバンドだけでは飽きそうなのでマルチバンドでQRVしたい、という欲張り?な願いを満たすべく、自動車の配線などに使われるギボシ端子を用いて、エレメント終端を簡単に着脱できるようにしてあります。こうして、28MHzの逆Vを原型にあとはドンドンエレメントをギボシ端子で延長することでマルチバンドに対応しています。難点はQSYするたびにポールを下げて端子を着脱しないといけないことですが、それを除けば、オールバンドでフルサイズが実現できるので、従来のLC式のマルチバンドダブレットにありがちな、SWRが低い帯域が狭い、周囲の影響を受けやすい、パワーの吸い込み&耳がイマイチ…といった悩みが解消されます。
ちなみに、この「ギボシアンテナ」のアイデアは、CQ誌1991年9月号のJQ1SYQ/西野OMの制作記事を参考にさせていただきました。OM、FBな記事をありがとうございました_(^^)_ 。(2001年4月記)
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