デジタルモード用(RTTY・PSK・SSTV・CW)I/F-Boxの製作





§.らいな〜の〜つ(笑)

  私自身、いろいろな分野に興味はあるのですが、意外と腰が重いほうなので、思いつきが良くないと動き出すまで時間がかかる性分です。

  PCを用いたデジタルモードについても、以前からやってみたいなぁとは思っていたのですが、そのまま何もせずだらだらと数年が経過。

  2010年5月ごろ、ふと思い立ってやってみるかということになり、いろいろとリサーチを開始。

  当然、PCとリグを繋ぐインタフェースが必要であることは知っていましたから、ケース付きで値段も2k円ちょっとと手頃だった、某エリアのOMが頒布されているI/Fキットを購入。

  送られてきたキットを開けてみてビックリ。トランジスタとコンデンサ・抵抗等が各数個ずつ…。
  う゛〜む、なんとまぁ簡単な回路(爆)で。。。これなら、キットをわざわざ買うまでもなく、手持ちの部品で充分自作できていたようです(^^;;。

  まぁ、完成品が市販されているぐらいなんで、それなりに複雑な回路で、一から自作するにはパーツ集めが面倒だなぁ必要かと勝手に思い込んでいたものですから、完全な誤解でした。まぁ、冷静に考えればスグにわかることなのですが…。

  …そんなワケで、折角購入したキットなので、このまま組み立てても良かったのですが、回路図を眺めていると入出力のアイソレーションがあまり取れていないことが気になりました。

  当局の場合、最大500W送信を考えているのと、以前、インターフェアや廻り込みによる誤動作に相当苦労した経験から、なるべくリグには余計なものを繋がない、繋ぐ場合はできる限りアイソレーションを取る(少なくとも直流的には縁を切る)ことを心掛けています。とにかくリグに繋がる全てのラインが「アンテナ」になりうるわけで、その分インターフェアをばら撒く危険性も増すからです。

  特にPCと繋ぐ場合は、もう絶対、直流的には縁を切るべきです。何と言ってもPC自体がある意味ノイズの塊ですから、接続線を通じてリグにノイズが乗ってくることも充分考えられますので。(その昔、某社のPC9**1BX4は酷かった(^^;;)

  そこで、キットの回路をベースにして、従前のトランジスタをフォトカプラに置き換え、AF信号が通る部分はトランスを挿入して、入出力のアイソレーションを確保するようにアレンジしたI/Fを製作することにしました。



§.回路構成

  あまりにも簡単なので、説明するまでもないと思いますが、回路構成としては、AF信号の入出力で各1回路、FSKの変調をかけるスイッチングで1回路、スタンバイ用で1回路、CWキーイング用で1回路、の計5回路です。



   ※上記回路図画像をクリックすると拡大して表示されます

 

§.部品について

  ・フォトカプラはTLP521を使用しましたが、同等の汎用品なら何でも良いでしょう。出力側の極性がないフォトリレー(オーソドックスなのではTLP227Gとか)でもOKと思います。今回は手持ちの関係で1パッケージに3回路入っているTLP521-3を使いました。

  ・トランスも巻線比1:1のアウトプットトランスであれば大概OKと思います。近所のパーツ屋さんで在庫していたのがSANSUIの「ST-78」だったので、これを使用していますが、他に「ST-23」「ST-71」「ST-73A」でも良いでしょう。

・オーディオラインのVRは、5kΩの半固定抵抗を使用していますが、複数のリグやPCにつなぐ場合はその都度レベル調整が必要になる場合があるので、普通のボリュームにしてケース外に実装したほうが使い勝手が良いかも?です。



§.動作について

  今のところ「MMTTY」「MMVARI」「MMSSTV」「CWType」で動作を確認していますが、簡単な回路ですから、他のソフトでも動くものがあると思います。

  当方の都合上、PCのシリアルポートを使用したI/Fになっていますが、USBしか装備していないPCにおいて、USB-シリアル変換ケーブルを介して動作するかどうかは未確認です。OM諸氏のWEBサイトを参照したところでは、PCの環境や変換ケーブルのメーカー等によって動作したりしなかったりするようです。

ちなみに当局は、無銭家ゆえ、手持ちのPCは2〜3世代前の古いものばかりですので、シリアル端子はいずれのPCにもバッチリ標準装備されており無問題(苦笑)。