〜 全市全郡コンテスト 〜
[2001年10月6日〜7日]


 食欲の秋、仕事の秋、無線の秋…(ばき☆)。長年の習性(^^;からか10月に入るとどうもソワソワしていけません。参加できるかどうかもわからないのにダメですね。これってかなり重症の域でしょうか?
 幸いにして10月の第一週も半ばにさしかかったころ、なんだか来たる6日(土)は休めそうな気配が。これは大変だということで、さっそく段取りを考えます。今回ももちろん移動運用、できればマルチバンドで出たい。
 案の定、さしあたってHFローバンドのアンテナがないことが発覚。IV線で自作してもよかったのですが、移動とはいえ3.5MHzのフルサイズダイポールを展張できる場所となると意外に限られてしまいます。やっぱり30m弱のVPダイポールが欲しいところ。地元のハムショップでは手に入らないし、秋葉原の量販店にオーダーしたのが4日(木)、無理言って速達で5日(金)に届くように送ってもらいました。迅速な処理に感謝です(^_^) > F無線電機さま
 さて、バタバタしたのはそのくらいで、6日(土)は午前中に移動機材の積み込み。12時ちょうどにホームを出発。途中、食料の買い出しなどをしつつ、14時過ぎに現着。場所は、今までも何度か移動したことがある、愛媛県西宇和郡瀬戸町のデッカ高原です。名前の通り以前はウンメガWの出力を誇る「デッカ局」の巨大なアンテナが建っていましたが、今は廃局されてタワーも撤去され跡形もありません。高原とは名ばかりで標高はせいぜい300mあるかないかだとは思いますが、「四国のしっぽ」こと佐田岬半島の一角として、瀬戸内海が一望できるロケは悪くないです。
 アンテナはHF+50MHz用に3本設営します。今回はマルチCWにエントリーの予定で、全市全郡ということでマルチプライヤーにそれほど固執する必要がないということから、144MHz&UPは思い切ってQRVしないと割り切りました。したがってアンテナも持ってきてません。前回からちょっとバージョンアップしたところはHFダイポールを上げる8mのオバケポールにアルミパイプを継ぎ足し11mHとしたこと。まぁ気分的な話ですが、ちょっとは変わるかなぁ、と。
 そんなわけで、のんびり設営したので割合時間を食ってしまったのと、意外に強風に手こずり補強に追われたりして、セッティング終了したのが、かれこれ日も暮れかかった18時。そのままチャージを済ませたあと、特にすることもないので、体力温存も兼ねてコンテスト開始直前まで寝ることにしました。眠り虫にはこれが一番?

20:45
 アンテナ・リグ系統のチェック完了。ロギングソフトも問題なく動作している。ヤワな電工ドラムで50mも引っ張ったせいか、送信時若干の電圧降下が認められるがまぁよしとした。

20:50
 Condxの把握を兼ねて各バンドをざーっとスイープ。3.5/7MHzのノイズレベルが非常に高い。常時S9+20dB振っている。夜間メインとなるバンドだけに先が思いやられる。

21:00
 定石どおりスタートは3.5MHzから。QRMMの中ではとてものっけからランニングはできそうにないので、いつも通り呼び廻りから始める。1局目はJH9FIO。

21:29
 JF5COMが早いCWでランニングしている。差し当たってのライバル局か?(笑)ちょっと身の引き締まる思いがする。

21:31
 偶然空き周波数を見つけたので、ちょろっとCQを出してみる。…が、一発目に呼ばれたのがQRPのJE7CWH/7で、折からの強烈なQRNでナンバー交換に手間取る。QRNさえなければ楽勝にQSOできるレベルと思えただけに、耳が悪いこの状態ででランニングしてもひんしゅくを買うもとなのでさっさと諦めまた呼び廻りにもどることにする。

21:42
 じゃーん。JK6SEW御大のご登場(^^;相変わらず強い。新設したアンテナの成果は上々のご様子。

21:52
 ひととおり呼び終えたので7MHzにQSYする。

21:57
 7K1PTT/3が@2308というナンバーを送っている。なんと先日新市になったばかりの栗東市でした。VyTNX。

22:13
 上のバンドエッジで強い局を発見。JA1VJQというコールサイン。キーヤーでの高速なCWに交えてストレートキー(?)のスローなキーイングを併用したオペレーションである。うーん、この打ち方どっかで聞いたことあるなぁ…。あとで調べてみると案の定ex.JP1P**さんでした。なるほど復活コールされたんですね。

23:30
 なんだか虫の知らせが…というワケではないのですが、ちょろっと50MHzを覗いてみる。なんとJN2FCL/2(@2015)が弱いながらもクリアに聞こえる。一発コールで難なくQSO。四国の深いところから4エレ八木でQSOできるとは思ってもいませんでした。

23:55
 7MHzから再び3.5MHzにQSY。

00:00
 この時点でまだ86QSO(3.5MHz:44QSO/7MHz:40QSO/50MHz:2QSO)というさんざんな状況。終始S9+20dB振るQRNに手も足も出ない状態。しかし愚痴を言っても始まらないし、とにかくここは夜間が勝負の3.5MHzに集中しモノバンドで100QSOに乗るまで頑張ることにした。

00:20
 ほぼ聞こえる局は呼び尽くした感があったので、ランニングを試みることにする。超QRNNの中では無謀とも思えたが、とにかくレートを上げるにはこれしかない。

00:23
 JE0KBPを皮切りにランニングがスタート。案の定ある程度以上の信号強度がある局しかピックアップできない。ノイズの陰で呼んでいただいたローパワーやQRP局には申し訳なく思ったが、我慢してオペレーションを続ける。

01:13
 いつも強力なJA1XEM、JA3ARM両局に何度も呼ばせてしまう。うーん、やばいなぁ(苦笑)冗談抜きでめちゃくちゃ耳悪いみたい(--#

01:17
 ちょっとサイドのかぶりがきつくなってきたので7L4RZLとのQSOでとりあえずランニング終了。約50分の運用で31局だったが、一発コピーできた局はほとんどなく苦しいQSOばかりだったので、こんなものでしょう。とにかく閉塞状況の打開にはなったと思う。

01:30
 JA1ZLOとのQSOで3.5MHzで大台の100QSO突破。なんとか当面の目標を達成できてほっとする。以後3.5/7MHzを行ったり来たりして局数の上積みをはかる。

02:30
 3.5MHzでJH1JGZとQSOして一旦QRT。仮眠を取ることにする。結局この夜は157QSO(3.5MHz:101QSO/7MHz:54QSO/50MHz:2QSO)で終了。

06:30
 起床。むむー、新調した寝袋の威力は抜群で爆睡。明らかに寝過ぎです(^^;まぁ、いつものことだけど。

06:35
 昨晩のQRNNがおさまっていることを祈りつつ、恐る恐るリグのスイッチを入れる(7MHz)。うわ、強烈なノイズは健在でした。状況は全く好転しておらず意気消沈する。腐っても鯛(失礼)の7MHzがまともに使えないのは本当に痛い。

07:30
 レートが上がらない。気分転換に50MHzにQSYする。

07:31
 JF6NBB/6、JF6OVA/6など6mCWの常連が聞こえている。

07:41
 ここでもマルチバンド参加のJA6GCEが聞こえる。いかにもパワーで押しているようなエコーがかった信号。でも、耳も非常に良い。

07:48
 7MHzに戻る。JF2FIUが強い。一発コールでQSO。

07:57
 いつも北海道から珍市珍郡をサービスされているJA7DAY/8がノイズに埋もれながら入感。必死にワッチしてQSO。

08:15
 朝からストレスが溜まりっぱなしでいい加減疲れたので、ちょっとまだ時間的に早いかとは思えたが、運用の中心をハイバンドに移すことにする。

08:20
 14MHzにQSY。…が、その瞬間途方に暮れた。ここでも強烈なQRNが。常時S9+10dBは振っている。とっさに21/28MHzもワッチしてみたが、こちらは静かで問題なさそうある。それにしてもえらく帯域の広いノイズだ。

08:25
 念のためアンテナ系統をチェック。異常なし。発電機からのエンジンノイズかと思い、車のバッテリーから電源を取ったりして調べたが、これもシロ。リグから同軸を外すと静かなので、リグの内部ノイズや不調でもないようである。付近にはノイズ源になりそうなものはなし。唯一、至近に業務局の電波塔があるが、アンテナを見るにマイクロウェーブのようだし、HF帯にインターフェアを起こしているとは考えにくい。結局、この時点では原因分からず。

08:30
 とにかくいかなる状況であれQSOするしかない。わざわざ移動してきたのにこのままみすみす引き下がるわけにもいかないし。バンド内をざっとスイープしてみると、各エリアがそこそこ満遍なく聞こえている感じ。Condxはまあまあのようだ。中でもJH7XGN、JR8VSEが強力。

09:35
 一旦21MHzを覗いてみる。JH7PKU、JR8VSEらビッグステーションが入感しているのみ。Condxは良くないようだ。このバンドはQRNがないだけに残念。

09:40
 再び14MHzに戻る。Condxが上り調子のようでQRMが出てきた。昨晩ローバンドで聞いたコールの面々が続々とこのバンドにQSYupしてきている。

09:56
 QRNNの中ランニング開始。JA1PCM、JA1IFB、JK1MGC…と続く。相変わらず受信がしんどいが、そんなことにかまっている場合ではない。以後15時過ぎまで14MHzをメインに21/28MHzを絡めたランニング中心のオペレーションとなる。

10:21
 21MHzでJA8CDTがCQを出している。DXの方面ではそれなりに有名なコールですが、国内コンテストに出ておられるのは始めて聞きました。

11:00
 このころ14MHzはCondxのピーク。ほぼ1QSO/分以上のペースで呼ばれる。QRNNなのでこれが精一杯。パイルになるとさすがに識別が厳しい。人間ノイズリダクション(笑)を駆使し必死になって捌く。

11:05
 JA0XZDとQSOしてどうにか14MHzで100QSO突破。

11:35
 21MHzはこのころがピークだったような気がするが、それにしてもCondxが非常に悪い。かろうじてJI0NNM、JA9ZRF/9ら中日本方面が入感するも結構しんどいQSOだ。とにかく1エリアがオープンしないことには話にならない。結局このバンドはこの時間帯にまとめて20QSOほどしたのが、最後であとはビッグステーションをポツリポツリ呼んだりするだけで終わってしまった。

12:00
 28MHzにいたっては全く風前の灯火。いつも強力なJA6GCE、JH7PKUらも弱い。

12:33
 こうなるとハラを決めて14MHzに居座ることにした。コンビニのおにぎりをほおばりながらランニング。こーゆー時CWはらくちんです(^^; JA6CYL、JI1RXQ、JN2CHJ/2…と続く。

13:21
 ローカルのJG5DHX/5からコール。しかしQRNNでナンバーが一発コピーできない。改めて、耳の悪さを露呈してしまった。

13:55
 JA3PRBとの交信で14MHzで200QSO突破。

15:00
 各エリア満遍なく呼ばれるのだがどうもレートが落ち気味。

15:15
 JA8DFKとQSOしてとりあえずハイバンドは打ち止めとする。

15:18
 7MHzにQSY。以後ローバンドのみに専念することに。相変わらず猛烈なQRN。JN3ANOを皮切りにとりあえず聞こえる局を呼びまくることにする

15:33
 空き周波数をみつけてCQを出してみるが、人間DSPフィルターも少々お疲れ気味(^^;JQ1BVIに呼ばれて遅まきながら7MHz/100QSO突破。

16:06
 JF5COMが快調に捌いている。うーん、これはだいぶ差をつけられてるかも…。

16:10
 ちょっと一服。改めてQRNNの原因を考えてみる。パルスノイズではないので効果はないとは思えたが、試しにノイズブランカーを入れてみることを思いつく。…が、よくよくリグのディスプレイを見てみると既にONになっていた。私は普段ノイズブランカーはOFFにして運用しているので、入れた記憶がないのにONになっているのは変だなと思いつつ、何気なくOFFにしてみた。ところが…あれあれ、その瞬間バンド中を覆っていたQRNNがウソのように消えクリヤーになったではないですか!難しいことはわからないが、バンド内の強力なQRMによりノイズブランカーの入力回路が一種の飽和?状態(この表現が適切かどうかわかりませんが)になり歪みを産んで逆にノイズ発生器に化けていたようである。それにしてもいつノイズブランカーが知らぬ間にONになっていたかということも含めて、このことに気が付くまでずいぶんかかってしまった。もうコンテストも終盤である。このロスを挽回できるか…。

16:15
 よぉぉし、遅ればせながら、QRNもなくなりエンジン全開!!猪突猛進だぁぁ〜(^O^)///~~

16:28
 バンドもクリヤーになり今まで聞こえなかった弱い信号も聞こえる聞こえる。空き周波数確保、フルスロットルでCQを出しまくる。JH2RRD、JA5IDV、JI1DBV/2…と続いて呼ばれる。

17:20
 結構快調にランニング。某JR3局、某JA0局のかぶりや幅寄せがあるが、エンジン全開の当局には通用しないのだ〜。がんとして動かんぞ〜(悪)共倒れまでいく覚悟(笑)

18:00
 1エリアを中心に全国がまんべんなく開けている。いい感じのCondx。無茶苦茶なかぶりもなく手前味噌ながら当方の電波もそこそこの強さで飛んでいるようだ。

18:14
 JR9NWVとのQSOで200QSO達成。さらに上積みをはかる。

19:40
 レートは落ち気味なもののそこそこ長い時間ランニングできている。あまり居座っていると昨晩やり残した3.5MHzができないおそれああるので、思い切ってQSYすることにした。

19:44
 3.5MHzも既に大入り満員。とりあえず下から順番に呼び廻る。

19:48
 運良く空き周波数を発見。すかさずCQ。このバンドはコイル入りのVP型逆Vだがいけるだろうか?幸いにしてJH1ESR、JA6BJV、JH1MTR/4…とコールが続く。よぉし、悪くなさそうなのでこのまま終了までここで粘ることに決める。

20:11
 怒濤の(^^;QRPer、JJ1INOからコール。ベランダアンテナからQRPpでアクティブである。今回もなんとか交信成立。

20:49
 ここまで、約1QSO/分ペース。思ったよりいい。幅寄せやかぶせもなく周波数確保ができている。ビッグステーションのJH5FXPに呼ばれる。

20:59
 ラストはJE1LDUでぎりぎりセーフ。TUを交わしたのが59分52秒だった。


…というわけで、最終的にかろうじて700QSOを突破し、去年のスコアを上回ることができました。返す返すもあのQRNNがなければ…ですが、これは当局の経験不足が招いたミスです。逆に言えば良い経験をしたと思って納得しています。21MHz&UPがCondx不良で事実上使い物にならなかったことで、ずいぶん偏ったコンテストメークになってしまいました。来年こそはハイバンドの爆発を期待します。お声がけいただいた皆さん、ありがとうございました_(^^)_
-----<本文中敬称略>-----





− 2001年 全市全郡コンテスト結果 −

JE5JHZ/5 愛媛県西宇和郡瀬戸町移動
電信個人局マルチバンドM部門にエントリー
周波数 交信局数 得点 マルチ 設   備
3.5MHz    163    163    141 IC706mk2G(50W)+I.V.(VP)@11mH
7MHz    267    267    217 IC706mk2G(50W)+I.V.@11mH
14MHz    220    220    182 IC706mk2G(50W)+ΔLOOP@3mH
21MHz    39    39    38 IC706mk2G(50W)+ΔLOOP@3mH
28MHz    8    8     8 IC706mk2G(50W)+ΔLOOP@3mH
50MHz     9     9     9 IC706mk2G(50W)+4eleHB9CV@4mH
   706    706    595 = 420,070 pts.
※当日の移動の様子は「移動運用ギャラリー」をご覧下さい_(^^)_