Libretto20復活計画@無線専用(笑)
§."Libretto20"とは?
1996年に発売された、東芝製超小型のノートパソコン。
当時はwindowsが動く最小のPCとして注目を集めました。
当局にあっては、諸事情により、長らく押し入れのスミに眠っていましたが、このたび思い立って、無線専用のDOSマシンとして復活、再び日の目を見ることとなりましたので、以下はその記録です。
なお、これには当然ながらDOSの基本的な知識(少なくともConfig.sysとAutoexec.batはいじれる程度の)は、ほぼ必須になりますので、念のため。
§.経緯
Libretto20…10数年前に近所の家電量販店で現物を目にして、その圧倒的な小ささに一目ぼれして、展示品を確か4万いくらかの大枚をはたいて購入した記憶があります。
とにかく、超小型でかさばらないので、当初は、主に移動運用でのリアルタイムロギング用に使えればとの考えでしたが、なにせその時はほとんど衝動買いに近く、詳しいスペック
もろくに確認せずに買ったのが、今思えば失敗でした。
「RAM:8MB・HDD:128MB」…この小さなボディなので、ある意味仕方ないですけど、泣く子も黙る(^^;windows95が走る下限ぎりぎりのスペック。
一応それなりに起動はするものの、予想どおりといえばそれまでですが、アプリケーションの動作はとても重く、windows95のお家芸(笑)であるハングアップもしばしば起こる始末。あまりの不安定さゆえ、リアルタイムのロギングではとても快適に使える状態にはなく、早々にお蔵入りとなってしまいました。
もっとも、当時、移動運用には98DOSのノートパソコン(PC-9801NS/T,PC-9821Nd)を主力に使っており、これらが特に不具合もなく快調に動いてくれていたので、わざわざ無理してwindows機に乗り換えるだけの必要性もなかったのではありますが(^^;。(ただ、Librettoの小ささが気に入っていたのです。)
しかしあれから、十数年が経ち、98ノートは未だに現役(!)ですが、内臓バッテリーはとっくの昔に寿命が尽きて容量切れ、液晶CRTも焼き付きが目立ちます。また、移動用リグの主力をIC-706からIC-736にチェンジしたことにより、オペレーティングデスクのスペース的な余裕もなくなったので、そろそろ買い換えを兼ねて、小型のノートPCの導入を考えていたところでした。
…で、差しあたって、DOSで走る小型の98ノートを探してみましたが、そこはやっぱり年代物の悲しさで、ゴミ同然のジャンク品ばかり。逆に動作品で程度の良さそうなものは、驚くことにプレミアが付いているようで、何とも信じがたいのですが、モノによってはン万円単位の値段が付いてるものもありました。実のところ、あわよくば、数百円程度のタダ同然で動作品の中古が入手できないかと思っていましたが、考えが甘かったようです(^_^;;。
やむなくwindows仕様の小型PCにまで対象を広げてはみたものの、ここまでくると、動作品では軽く10k円以上するものばかり。どうも2世代、3世代前のマシンでもメールとネットだけ出来ればいいと割り切って使いたいユーザには、windowsが走る小型ノートはそれなりに人気があるようなのです…。
実際、今のところ、最低HAMLOGとZLogが動けばそれでいいですし、何より"無銭家"ですので、なるべく出費は抑えたい(涙)というのもあり、windowsマシンにまで対象を拡げることに関しては、今イチ乗り気になれませんでした。
…そんな折、にわかに思い出したのが、Libretto20。お蔵入りしているコレを有効活用できないか、と思い立ったのがコトの発端でありました。
§.方針&条件
・HDの換装やメモリの増設は不可。(入手困難)
・前述のとおりwindows95はスペック的に不安定だし重いのでDOS専用機とする。
・なるべく費用はかけないこと(^^;。
…ここで1つ素朴な疑問が。
現用のLibretto20には記憶装置として内臓HDDのほかに、PCカードバスを経由して外付けの3.5inchFDD(標準ではオプション品だが、本体と一緒に購入した。外部入力装置を持たないLibrettoは最低限コレがないと使いものにならない)を装備していますが、当然ながらDOS用のFDDドライバを入れないとFDが使えないのではないか?ということです。
というか、この疑問が正しいとなると、本計画自体もパーになってしまうのです。何と言ってもDOSのインストールは当然FDから行いますから、FDDが認識されないことには何も出来なのです(^^;。
早速、この件についてインターネットで調べてみたところ、どうもBIOSにFDDドライバーが標準で内蔵されているそうで、特に外部からドライバーをインストール等してやる必要はないとの事でした。試しに、現用のメインPCにてDOSの起動用FDを作ってやって、これをLibrettoのFDDに差して電源投入してみたところ、問題なく"DOSモドキ(笑)"が立ち上がりました。とりあえず一安心です。
§.DOS/V化への期待
お恥ずかしい話ですが、昔からNECのPC-98で育った私は、DOSと言えば98DOSの知識しか持ち合わせておりません(-_-;。
当たり前ですが、Librettoは東芝のキカイなので、アーキテクチャはIBM-PC互換ということになり、NEC互換の98DOSは入れることができません。
そこで、今回の目的である、DOS版のZLogやTurboHAMLOGを走らせるためには、IBM-DOSの日本語対応バージョン、つまり俗にいう「DOS/V
」をインストールしてやる必要があります。
現用で、DOS/Vで走っているPCを持っている人なら、そのPCからシステムファイルを拝借してくる、といった芸当が可能ですが、私はあいにく持っていないので、DOS/Vのシステムディスク一式を入手せねばなりません。
ところが、これがまた意外や意外、中古市場にほとんど流通していないのです。オークション等でたまに出物があっても、やっぱり出品者も足元を見ていて結構な値段を設定していたり、かなりの数の入札があって、それなりに人気があるようなのです。
無銭家(^-^;としては、なるべく出費は抑えるというのが絶対条件(笑)なので、ここはOSの購入はさっさとあきらめ、アマチュア精神?を発揮して、外にやりようが無いか調査してみることにします。
§.手始めにこんなサイトがあった
webをサーフィンしていろいろ探していると、こんなサイト
がありました。
windowsのDOS用起動ディスク用のファイル一式がプールされていて、よく見るとIBM-DOSのファイルも一式落とせるようになっています(^_^;。
#っていうか、このサイト、そもそも著作権上の問題は大丈夫なのだろうか?(汗)
試しにここから落としてみて、IBM-DOSのシステムディスクを作成。HDをDOSでフォーマットしなおした上でインストールしてみたところ、問題なくHDから起動することは確認しました。ただ、あくまでIBM-DOSなので全て英語であり、日本語は使えません。日本語のアプリケーションソフトを起動すると、2バイト文字は化けますし、最悪ハングアップします。
「英語のアプリケーションしか使わないも〜ん」という方はコレでOKですけど、ZLogやHAMLOGのように日本語対応のソフトを使うには都合が悪いですし、前記のとおりライセンス上も"?"なのでこの方法はパスすることにしました。
§.フリーDOSをあたってみる
というワケで、DOSで問題なく動作することは確認できたものの、やっぱり日本語か使えないとどうにもなりません。
そこで、ずっと昔からその存在だけは知っていた"フリーDOS"をあたってみることにしました。Web上でいろいる調べてみると、「FreeDOS」と「DR-DOS
」というのが2大メジャーのようで、現在は、ほぼDOSを完全に互換するまでに高い完成度に仕上がっているとのことで、フリーのドライバを適宜追加することで、DOS/V互換の日本語環境まで構築可能とのことでした。
そこで、今回は試しに「DR-DOS」を使用してみることにしました。
ありがたいことに「日本 DR DOS ユーザー会」のWebにファイルの入手からインストール、DOS/V化の方法まで細かく解説されているので、参照させていただきました。(ちなみにFreeDOSのほうを使ってみようという方はこちらのサイトがオススメです。)
早速DOS/V版のZLogとTurboHAMLOGを、インストールした所、特に問題なく動いています。
DR-DOS ver7.03 インストール中
§.確認している不具合
今の所、DOS/V版のZLog、RCC、TurboHAMLOGを動かしてますが、それなりにちゃんと起動しています。
ただ1点だけ、確認している不具合があります。
これは、ZLogとRCCで見られる現象なのですが、とにかく、CWのキーイング速度が無茶苦茶遅い。
20wpmの設定で1〜2wpmしか出ていない。最高レベルの50wpmにしても5wpm位にしか上がらない(^^;;。
直感的に、何かのデバイスドライバが悪さをしていると思い、試しに全てのデバイスドライバを外して起動させた、"素のまま"のDR-DOS上で、ZLog/RCCを起動させてみると、ちゃんと普通の速度でキーイングできます。
そこで、Config.sysのデバイス文をいじって、各デバイスドライバをとっかえひっかえON/OFFしてみたところ、EMSドライバ(DR-DOSに付属のEMM386.EXE)を入れると遅くなることが判明。
そんなわけで、今のところ上記の回避策として、ZLog/RCCを使用するときは、HIMEM.SYSのみインストールして、EMM386.EXEは外して起動することにしています。
…もっとも、現時点では、EMSを使うアプリケーションを使っているワケでもないので、これによる不都合は全くありません。ディスクキャッシュとRAMDISKはXMSを使用するドライバを使っていますし。(ディスクキャッシュはDR-DOSに標準装備のNWCACHE..EXEを、RAMDISKはこの
ドライバを使用させていただいております。>作者の方Tnx!。)
まぁ、そういえば、98DOSの時代から、EMM386.EXEの遅さとメモリ食いの多さは有名で、サードパーティーのドライバが、かなり幅を利かせていました。思い出すのは、IO-DATAのVMM386.SYSやメルコのMELEMM.SYSなど。
ちなみに私自身は、フリーソフトのVEM486.EXEというドライバを愛用していました。これは、動作速度もそこそこであり、XMSドライバを内臓しているのでHIMEM.SYSが不要、それから何と言っても、自分自身がEMSに常駐するので、コンベンショナルメモリの消費が0バイト!という、涙モノのドライバでした。
このドライバ、98DOS版
は現在でもVectorで入手可能ですが、記憶ではDOS/V版もあったように思います。今回の件で、EMM386に替えて試しに入れてみたいのですが、いろいろググってみても見つけることができませんでした。どなたかお持ちの方、分けてくださいませんか(笑)。
※余談ですが、上記の不具合は「FreeDOS」でも、再現していますので、OS固有の問題ではなく、やはりEMSドライバの仕業ではないかと考えています。
§.今後の計画と雑感
○サウンドカードの入手
WAVファイルが扱えるモノであれば、ZLogのボイスメモリー機能が使えるようになります。音質が実使用に耐える程度あるかどうかが不安ですが、上手くいけば外付けのボイスCQマシンが不要となるので魅力的です。
○RTTYへの期待
上記サウンドカードの入手が前提にはなりますが、可能であればRTTY、PSK31等もやってみたいです。(…って、それ以前にDOSでそれなりに使えるRTTYソフトってあるのでしょうか?お詳しい方教えてくださいませ_(__)_。)
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…そんなワケで、雑感としては、なにせ「超小型」のPCなので、小さいキーボードに慣れは必要ですが、当局のように移動運用の狭い車内でオペレーションする者にとっては、とにかくスペースを食わないことはありがたいです。
早速、今後の移動運用にバリバリ活用したいと思っています*^_^v。
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