§4.申請はどうすれば…
とにもかくにも、私自身ハイパワー免許申請にかかるプロセスについては、予備知識があまりになさ過ぎたので、ほうぼうから情報を集めることから始めました。なにせ今までハイパワーなんていうこと自体、次元の違うオハナシだと思いこんでいたので、よもや自分が当事者になってみると何から手を付けていいのかわからないのです。確かに、雑誌などで「予備免許」「変更許可」「試験電波」等々それらしい「専門用語」を目にしたことはありますが、その意味となるとちんぷんかんぷんだったのです(f^_^。
とりあえず、JARLの変更申請書類を買いました。するとなるほどありましたありました、空中線電力が200Wを超える局の申請方法がちゃんど書いてあるじゃないですか〜。それも説明書の末尾にたったの1ページ(泣)。しかも他のページと違って一色刷、えらく字も小さい。むー、これって差別じゃないの〜(汗)。そりゃ確かに200W超の申請が少ないのは事実ですけど、もっとまっとうに書いてあってもいいんじゃないんですかねぇ。保証認定・技適証明と違ってJARL/JARDにとってうまみがないから差別しているんでしょうか(^_^;。
まま、嫌味はさておいて、とりあえず見よう見まねで申請書を書きました。ここで作った書類は同封の@変更申請書表紙A無線局事項書及び工事設計書B送信機系統図ですが、おそらくはいくらか手直しをしなければならないでしょうから、手書きではなくパソコンで作成しました。使わせていただいたのは、JA3TZT/梅木氏作の「変更申請書フォーマット」(クリックするとソフト掲載サイトにジャンプできます)です。一太郎形式の申請書一式がアーカイブされており非常にFBです。Vectorにフリーで公開されております。WordやExcelユーザーの方も、おそらく同様の主旨のソフトが他にも公開されていると思いますので、探してみるとよいのではないでしょうか。
さて、とりあえずこの申請書を、いきなり電監…じゃなかった今は総合通信局ですね…に提出しても藪蛇になっては困るので、まずは近所のハムショップに持ち込んでチェックしてもらうことにしました。すると、ちょうどタイミングの良いことに、その方面に詳しいお客がいまして、その方を交えていろいろと教えてもらうことができました。
そこで指摘された事項をかいつまんで書きますと、
@)申請書のフォーマットを適正にする
私の場合、前述のようにパソコンで申請書を作成したため、当然正規の申請書のフォーマットとは微妙にレイアウトが異なります。これはそのソフト自体の能力やクセ等があるわけで致し方ない面もありますが、あまりに違うのはダメだそうです。私のは罫線のピッチや周囲の余白が狭かったので指摘されました。ちなみに申請書の規定のフォーマットというのはちゃんと電波法令集に書いてあります(これホント(+_*#)。
A)署名欄は手書きにする
申請書をパソコンで作成するといっても、なんでもかんでも印刷でOKってワケではありません。自分の署名欄は少なくとも手書きが望ましいとのこと。まぁ当たり前といえばあたりまえかなぁ(-_-"。
B)必要なバンド/モードのみの変更申請は可能か?
前記のように私の場合、現100W固定局で免許されている1.9〜50MHzをそっくり500Wに変更するのではなく、必要なバンド/モードのみ500Wとしたい(例えば28MHzはA1・A3Jのみ500W、A3・F3は100Wのままとする)のですが、そのような申請はまったく問題なく可能とのことでした。ただ少々工事設計書が煩雑にはなりますが…。
C)参考書類の作成
申請書類一式を総合通信局に提出しても、ほぼ間違いなくなにがしかの参考書類を追加で提出するよう求められるので、そのギブアンドテイクに要する時間はロスである。あらかじめこれらをを添付してから提出すると手間が省けて良いとのこと。以下に私が作成した参考書類を示します。
・無線局常置場所の位置図
これは、住宅地図をコピー・張り合わせたものを作りました。常置場所とその周辺の状況(隣家の建込み具合など)がわかればそれでいいと思います。
・アンテナの展張平面図
私は住宅地図の常置場所付近を拡大コピーを繰り返してA3版にして、それにアンテナの模式図を書き込みました。アンテナは高さ、形式、平面寸法がわかるように書きます。このとき隣家とアンテナとの最短距離(給電部からの)を忘れずに書き込みます。これは、後述の電波防護指針とのからみもあって重要なポイントです。
・電波障害対策について
これはハイパワー免許を申請するにあたって、自局で実施しているインターフェア対策を簡単に箇条書きする程度でよいと思います。当然、実際にやっている(またはやる予定)ことを書きます。ウソや変に誇張して書くと検査の時バレます(笑)。
・電波防護指針対策について
近年導入された電波防護指針。場合によってはインターフェア対策よりも厄介だったりします。とりあえず、計算式、計算根拠、計算結果、結果をふまえて実際にやっている対策を列挙すればよいでしょう。
計算は手計算でもいいですが、私はJG1SYK/鈴木氏作の計算ソフト「電磁波防御チェック」(クリックするとソフト掲載サイトにジャンプできます)を使わせていただきました。Vectorにフリーで公開されています。ポップアップウインドウでパラメータを選択するだけで自動的に計算してくれますので非常に便利です。計算根拠はJARLNEWS1999年6月号の解説記事を丸々コピーして添付しました。自力で説明するには電磁気学?の知識が必要ですし、そんなのはっきり言って今の自分には無理ですから(ぉぃ☆)これが一番手っ取り早い方法でした。
対策の項は、計算結果をふまえて実際に実施していることを書きます。具体的には計算で安全距離Rが=○○mというふうに出てきますから、これ以内のエリアにみだりに一般者が立ち入れないようにウチはこーゆう対策をしてますよということを唱えればいいわけです。まぁ一般的には「柵して入れないようにしてます」などと書きますね。ちなみにこれは当然ですが検査当日はそのように実施していなければなりません。当局はアンテナヤードをトラロープで囲って立ち入り禁止措置としました。
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